最近久しぶりに無限リピートしている歌がある。
「ぼよよん行進曲」だ。歌詞は一見子供向けではあるが、大人にも何故か心の深いところに刺さる謎の曲。そしてそのメロディたるや、1度聞いたら耳から離れない心地良さがある。それは「ヨドバシカメラの歌」とか「100円ショップのミーツのテーマソング」みたいな耳にまとわりついてくるような下品なそれとは違う。軽快で後腐れがないからこそリフレインしてしまうのだ。ポップで軽快なんだけど、どこかに哀愁も感じられる味わい深い歌。こんなのに出会ったのは初めてかもしれない。
どんな大変なことがことが起きたって…
どんな大変なことが起きたって 君の足のその下には とてもとても丈夫な ばねが付いてるんだぜ
押しつぶされそうな そんな時だって グッと膝っこぞうに 勇気をため そのときを待つのさ
出だしから心を持っていかれる。平易な励まし文句なのにやさしく肩を叩いてくれているような、母親にあやして貰った頃を思い出すような安心を感じる。絵本に出てくるような単純ながらストレートでカラフルな言い回しは、回りくどい大人の歌にはない普遍性がある。
ほらあの雲まで手が届きそう
ぼよよよーんと高く 飛び上がってみよう ほらあの雲まで 手が届きそう
やっぱりいちばん泣けてくるのがサビのこの歌詞。大人になって聴くと、若者が本気で挑戦して夢を勝ち取るガッツをくれているというより、人生を達観するものが最後に観る本当の境地を説いているように思える。2番では「ほらあの星さえ手が届きそう」と歌われている。1度は人生に挫折しながらも、ゆっくり確かに登りつめてきた賢者の放つ言葉にも似ている。
星の雫は…
星のしずくは 初めてのあしたへとつづく
意味はさっぱりわかんない。初めてのあしたってなんだ。情熱のパッションとか夢のドリームみたいな言い回しだけどそこがいい、カッコイイ。極端な話、歌詞なんて付いてればいい。それをメロディにのせればどんな言葉でも芸術に変わるのだ。
個人的にはいっちーとなるバージョンが好き(高音最高)
ぼよよん行進曲のオリジナルを担当しているのはは、当時の歌のおにいさんとお姉さんの今井ゆうぞう氏とはいだしょうこ氏だ。もちろん2人の歌唱も素晴らしいのだが、高音の綺麗さ、透き通り具合を考えると個人的には「いっちー」こと加藤一華氏と「なる」こと金城成美氏が歌っているバージョンが好きだ。はいだしょうこさんの歌唱力はずば抜けているがなぜかサビの高音を担当していない。これも個人的にだがサビはキーが高ければ高いほど盛り上がるので、その点で「いっちー・なるバージョン」に軍牌があがる。
唯一の汚点
個人的に完璧な歌なんだけど唯一気に入らないところがある。この歌はショートversionとロングversionがあるのだけど、ロングversionの方の1番と2番の間に「歩け歩け歩け、進め進め進め」を4回も繰り返すところだ。流石に多すぎる、2回のリピートで十分だ。オシャレに間奏だけになっていたらロングversionも満点だった。いやもちろん個人的な感想である。
どこに名曲がひそんでいるか分からない
今回はたまたまテレビで「あなたを励ましてくれた歌はなんですか」みたいな放送をやっていて知ったのだけど、まさかこんな歌にどハマリするとは思ってもみなかった。食わず嫌いをしないでラジオを聞いたりテレビを見たり、あまり興味のない分野のことも見聞きしていると思わぬ発見があるものだ。いつまでも好奇心を失わず、新しいものを探し続けたいとは思っている。