タイタンフォームで遊んでたら放送も観たくなっちゃった。
先日、バンダイに注文していた大人向け(やらしくない)の可動フィギュア、仮面ライダークウガタイタンフォーム(真骨彫製法)が届いて、実に小学生ぶりにフィギュアというものをいじくり回す喜びを味わいました。それもあって久々にこのタイタンフォームが活躍したTVの劇中シーンを観てました。初登場はイカスミ怪人が相手の「第10話 熾烈」。マイティフォームでは苦戦していたイカスミ怪人のイカスミ爆弾を、バブル時代顔負けの頑丈肩パットで弾きながら歩み寄り一撃でとどめを刺す。その勇ましい姿はクウガの戦闘シーンの中でもかなりカッコよく、男ならば興奮必至の回です。
それはそうと今回再視聴して色々な思いがこみ上げたのは、本作でも物議を醸す回であった「34.35話」のトゲトゲ怪人(ゴ・ジャラジ・ダ)が出てくる回。まぁこの回で活躍した(トゲトゲにトドメをさした)のは通常のタイタンフォームではなくて、それの強化体であるライジングタイタンフォームなのですが。まぁタイタンには変わりありません。
「君たちが苦しむほど楽しいから」
トゲトゲ怪人【ゴ・ジャラジ・ダ】が出てくる主な回といえば、仮面ライダークウガ『EPISODE34 戦慄』と『EPISODE35 愛憎』の2話。グロンギ(怪人)の中で、最もリント(人間)の殺戮を楽しむグロンギとして登場した。ゲゲル(ゲーム)の名の下に、ターゲットにされた作中の男子高校生たち、そして我々視聴者を恐怖のどん底に陥れたトラウマ怪人でもある。
君たちが苦しむほど楽しいから
ゴ・ジャラジ・ダ
自分より弱い存在を嬲り殺すのを快楽とする至極悪趣味な怪人で、主人公の五代雄介が作中で最も憎悪をあらわにした相手でもあり、またその五代雄介の手によって作中では怪人の中で1番惨い最期を迎えることになります。敵を倒したあとは、いつも笑顔とサムズアップで一条さんに挨拶をしていた五代が、唯一笑顔もサムズアップもしなかった回でもある。でもこのシーン、爆裂したジャラジダの炎に囲まれながら、黄昏時にトライチェイサーのハンドルを片手に持って神妙な面持ちで立ち尽くす五代雄介の横顔がめちゃめちゃカッコいいんですよね。この頃から五代雄介演じるオダギリさんもかなり垢抜けてきているので本当にイケメンに映っていて画になっています。
これこそ視聴者が1番スカッとする回ではないか
個人的にはこの回は今作の中で最もカタルシスを感じられ、視聴者へ「いいぞもっとやれ」という感情を与えてくれるものであったように思う。主人公であり温厚な青年の五代雄介ですらも、心のうちに秘める残虐性というものに恐怖したり、怪人に対する執拗な顔面パンチに驚愕するなんてことは、放送当時から思ったことはないし今見るとむしろ足りないくらいに思われる。あれだけ理不尽に人間(同志)を苦しめた怪人に、聖人と言われる程に温厚な五代でも怒りを露わにして敵の血しぶきを体に浴びるくらいに殴りつける。観ていてここまでスカッとするものはないし当たり前のことだと思う。この状況でも五代くんに冷静でいられたら逆に「大丈夫かこの人?」と思ってしまうのではないだろうか。個人的には理不尽で残虐非道な行いをする存在に対して、強い怒りを抱かない人間の方が怖いと思ってしまう。だから視聴者(特に大人)に綺麗でヒロイックな正義とは違う、人間らしい本当の正義(怒り)というものを見せてくれていると思う。
ただ、本当に五代雄介(クウガ)がジャラジにたいしてこの程度の仕打ちしかしていなかったのかどうかはわからないと言えなくもない。子供が見る番組なので映像的にはこの辺に抑えたものの、本当はもっともっとジャラジを痛めつけた上に惨殺した(設定?)だったりするかもしれない。なにせアークルがアルティメットフォームの幻影を見せる警告までしているのだから。昔「仮面ライダーアギト」の考察を見ていたときに、劇中の登場人物がアナザーアギトと本物のアギトを区別できていなかったのが謎という話があったように思う。どう見てもアナザーアギトは怪人寄りな見た目をしていて、キレイめなアギトとは明らかに見た目が違うのに。子供向けにアギトの見た目をあのように見せているだけであって、本当はアナザーアギトのような見た目をしていたのではないかと、考察では語られていたように記憶している。
それとは少し違う話だけど、大人が見てもトラウマになるような殺戮を、あのときのクウガは行っていた可能性もある、とも言えるのではないだろうか。な〜んて感じちゃいます。
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