つい最近福山雅治の新曲が発表された。タイトルは「想望」。
女子高生が戦時中にタイムスリップして特攻隊のイケメンと熱い恋におちる「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら」という長いタイトルの映画の主題歌にもなっています。
ハマっちゃったから頑張って歌ってみました。
映画の主題歌ダッタノカー
「想望」なんて、聞いたことのない単語だから調べてみたら『ある人を慕い仰ぐこと。また、ある状態に心がひかれて、それを心に思いえがくこと。』と書いてある。なるほど、現代の少女が戦時中へタイムスリップする難しい映画の主題歌だと知ってからはなんとなく意味も入ってくる気がする。何も知らないで「福山が新曲出したんだ!聴かなきゃ!」とワクワクしながら予備知識無しで聴いた時は正直イマイチだったのだ。イマイチと言うか現代の価値観や恋愛観にあってなさ過ぎというか、あえてそれを衒って出したのかもなんて思ったりもした。
今どき『君のことが好き、でも僕は訳あって君から離れていかなきゃいけない、僕は帰らぬ旅に出なくちゃいけないんだ。ゴメンよベイビー』なんて、昭和の歌でしか聴いたことないし、そもそもなんでそこまで故郷を出ることに駆り立てられているのか(この歌は主人公が故郷を出ていく歌ではありませんでした)。今とは違う価値観だったからこそ、現代を生きる我々にはよくわからない部分も多い。でも正直な意見を言わせてもらうと、それこそが男の本能で、昔の男たちはその本能に忠実だったのではないかと感じる。
どこかに腰を据えて生きていくのではなく常に新しい場所、知らない土地を探して旅に出ていくのがきっと本来の、雄のあるべき姿なのだろう。おかしくなっているのはむしろ今の世の中なのかもしれない。
HANASHIGA SORETAyo。
本当に最初に聴いた時は「なんで主人公の男はそんなに旅に出たいと思ってんだ?」という感想だったけど、戦時中へタイムスリップを果たした少女と、当時の若い兵士が恋に落ちる物語の主題歌だと解ってからはもう納得の連続でしかない。別にタイムスリップであるかどうかは関係ないんだけど、特攻にいかなきゃいけない若い兵士の、愛するものを置いていかなきゃいけない無念というのを、作品だから少し誇張しつつも美しく仕上がった映画であり主題歌だったと思う。
物語や時代背景に合わせて柔軟に作品を創り上げる能力、努力を惜しまずいろいろなことを感じながら作品を捻り出してきた福山雅治という男の軌跡が垣間見えるようでもある。やっぱり彼は果てしなく人間よりも上の存在に近い存在なのだと感じる。これ以上言うと私が福山にベタ惚れの変態だと思われる、いや変態なのがバレるではないか。
進化する裏声「ファルセットふくやま」
ともかく、この「想望」という歌はやはり名曲だった。それにしても福山雅治の楽曲の中で1番裏声が目立つ曲ではないだろうか。イントロ部分から裏声を多用し、その後もかなりのフレーズを裏声で歌っている。それにしても福山の裏声は声量が出ていてすごいのだ。二十代の頃は「Good Night」での『あの角ハンドル切れば、こん〜やは〜』の箇所だけだったり、「蛍」での『きっとたーりな〜いけど〜』の部分だったりサビのここぞというところでだけ使っていた印象だ。声が低くて地声で出せる領域が少ないのを裏声でカバーしてきたのだと思う。昔から裏声は綺麗だったのだけど安定して声量が出るようになっている気がする。そう、福山雅治は今も進化し続けているのだ。そのうち福山から新しい福山が生まれてくるんじゃないかな。まぁとにかくこの歌では福山の裏声をこれでもかというくらい堪能できる、脳汁ダラダラものの逸曲である。
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